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ずっと傍に……
第25章 約束…
「本当に…帰るの?泊って行けばいいのに…」
帰る準備を始めるとママが寂しそうに口を開いた。
「ねぇ…明日帰ればいいんじゃないの?」
泊りたいと思う…だけど…
「ママ。無理せずに行こうと言ったばかりだ…今日は陽葵が戻ってきただけで良しとしないか?…陽葵、また帰ってくるんだろう?」
「帰ってくるよ。今度は泊まるから…」
「本当ね。約束よ」
パパの宥めにママは納得しつつ名残惜しそうに見送ってくれた。
蒼の運転する車の窓から流れる景色を見ていると涙が一筋流れ落ちる。
家に帰るまでは、こんなにも離れるのが嫌になるとは思わなかった。
たった数時間なのに離れることが悲しくて寂しかった。
「また帰ってくればいいだろう…。…一人で外に出るのが嫌なら迎えに行ってやるから…」
私の気持ちを察した蒼が優しい手つきで髪の毛を撫でてくれる。
その優しさにも涙が溢れそうになる。
「…うん…あり…がとう…」
それだけを言うとマンションに到着するまで流れる景色を眺めていた。