この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ずっと傍に……
第26章 道しるべ…
「陽葵が死にたがっているのは分かっていました…ここ最近、陽葵は出会った頃と同じように僕を求めてきますから…全てを忘れるようにと…。四十九日で思い出してしまったんですね…かわいそうに…。ですが、寂しければまた僕とふたりだけの時間に浸ればいい…それでも逝きたいと願うのならば僕は何もいいません…陽葵の気持ちを尊重します。それが約束ですから。…ですが今は…僕に狂えばいい…陽葵が望めば望むだけ抱いて狂わせてあげますよ」
どうですかと目で訴えてくる。
いつも一番欲しい時に一番欲しい言葉をくれる。
ユキを心配しながらも死にたがっている私の心を知っても、生きて欲しいとは言わない。
その代わりに、初めのように狂えばいいと言う。
それをユキが許してくれるのなら狂いたい。
全てを狂い忘れてしまうほどに…
「じゃあ…狂わせて…何も考えなくていいように今日もまた…私を狂わせて」
そう願うとユキは微笑みキスをする。
舌を絡ませ、また淫らな行為に落ちていく…と思っていたら、ユキのお腹が鳴った。
これから激しくエッチをすると思っていた私たちはその音に驚いて、そして顔を見合わせて笑った。