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ずっと傍に……
第26章 道しるべ…
「死ぬと分かっていて自分の妻になってくれた陽葵ちゃんにできること。お金じゃないことも重々分かってた。だけど、あの時の友紀也には残せるものがお金しかなかった。お金しか残せなって空しいって嘆いていたよ…。本当だったこんなものじゃなくて、自分の手で幸せにすることが一番なんだってね…だから友紀也の遺言受け取って欲しい」
それに頷けないでいると、志保さんが結婚式の写真を数枚出して並べた。
その中には婚姻届けの写真も入っていた。
「お兄ちゃん、婚姻届けすぐに書いてくれたでしょう?あれね。これを見越してのことだったみたい。内縁の妻でも相続はできるらしいけど、それでは世間から何を言われる分からない。残したことによって陽葵さんに辛い思いをしてほしくないって…陽葵さん…お兄ちゃんに愛されてたんだよ。これからの陽葵さんの未来のために色々と残してくれたんだよ。」
わたしの未来のために…
その言葉が今は一番辛い…