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第4章 少しの変化と…

追い打ちをかけるかのように、先生の言葉が胸に刺さる。
今ここで、はっきりと言われたら私…

「聞きたくない…」

そう、聞きたくない。
聞いていしまったら、少しの望みさえなくなってしまう。
だから、私は、その先の言葉を聞きたくなかった。

「帰ります…」

逃げるように部屋を出ようとした。
だけど、逃げるより先に先生の手が私を捉え、また先生の胸の中に逆戻り。

「逃がしませんよ…」

「ヤダッ…聞きたくない…はっきりとした答えなんて欲しくない」

ジタバタとしても、先生の力は強くて逃げ出すことなんてできなかった。
それでも、必死に逃げようともがけばもがくほど、先生の力は増していった。

「…陽葵…」

暴れていると、耳に届いたのは先生が私の名前を呼ぶ声だった。
何度、名前で呼んでとお願いしても呼んでくれなかった私の名前。
とっさに顔をあげると、優しい先生の瞳が私を捉える。
先生の瞳には、しっかりと私が映っていた。
きっと、私の瞳にも先生の姿が映っているはず…
それほどまでに真正面から見つめあう。