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ずっと傍に……
第26章 道しるべ…
「先生こそ学校は?」
「ちょっとな…有給使って休みだ…隣に座ってもいいか?」
その言葉にあからさまに嫌な顔をしてしまったんだろう。
小林先生は「そう嫌な顔するな」と言って、私の隣に座ってタバコを吸い始めた。
口から吐き出される煙が空へと上っていく。
「タバコ…吸うんですね」
「ああ…学校では吸わないからな…イヤだったか?」
「大丈夫です、父が吸いますから」
「そうか…」
淡々と続く会話は、お互いがお互いを探っている様に感じた。
それからしばらく、お互いに会話もなく誰もいない遊具を眺めていた。
そして最初に口を開いたのは小林先生だった。
「桜木先生が亡くなって2か月ちょっとか…まだ信じられんよ…」
ある一点を見つめたままポツリポツリと誰に言うでもなく話を始めた小林先生の言葉に、私は黙って耳を傾ける