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ずっと傍に……
第26章 道しるべ…
「教師と言うのにな。…あの時の病院での村上先生は教師と言うよりひとりの女として田崎に突っかかってたよな…。もうふたりがつきあってるのとも知らずに」
あれが全ての始まりだった。
あの怪我で友紀也の癌が見つかり、私を遠ざけた。
遠い昔のような気がしても、まだ3年も前の話ではない。
「小林先生は…いつから私たちの事を知ってたんですか?結婚式の時に聞こうとして聞けなかったんです。そして…」
友紀也にも聞けずに終わった事。
「それか…まぁ、学生の頃からあやしいとは思っていたんだが…確定したのは、その病院でのふたりを見た時だな。お前の心配そうな顔、そしてちらちらとお前を見て心配する桜木先生の顔…それに、何度が下の名前で呼ぼうとしただろう?」
言われてみれば、咄嗟に呼んだかもしれない。
だけど、それは村上先生に先を越されてみんなの耳に届くことはなかったと思っていた。