この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ずっと傍に……
第26章 道しるべ…
「学校をやめる時に病気の事は打ち明けられていたんだ。ステージ4で先がない事も聞かされたそして田崎と付き合っている事もその時に聞いたよ。そして…誰にも言うつもりはないが私だけには伝えて頼みたいことがあると言われた」
「頼みたいこと?」
妹の志保さんにも最初は教えていなかったと聞いた。
それなのに自分の病気の事を教えてまで頼みたかった事は何なのか。
私は、じっと小林先生を見つめて、その先の言葉をまった。
そんな私の視線を感じた小林先生は笑ってポンポンと頭を撫でた。
「田崎…お前の事だよ」
「私…?」
「ああ…お前が教壇に立つのを桜木先生は望んでいた。自分の意志を継いでくれるたった一人の人だと…そして誰よりも素敵な教師になるだろうとな。だから自分が死んだ後の事を頼むとも言われたよ」
友紀也がそんなことを思っていたとは知らずに驚いた。
だけど、何度も卒業後はどうするのか聞いていた友紀也は、きっと私が教壇に立つのを夢みていたに違いない。