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ずっと傍に……
第27章 舞い降りる奇跡…
「素敵な誕生日になりそうですね。今日は僕が夕食を作りますよ。そして、友紀也さんも入れて3人でお祝いをしましょう」
顔を上げると、優しい眼差しが私に向いていた。
そして、触れるだけのキスをして、キッチンに向かうユキに慌ててついて行く。
「ユキ…料理作れるの?」
「人並みには作れますよ」
私の質問にフフフッと笑って冷蔵庫の中身を確認して、冷凍の牛肉やエビなどを手に取り、私に渡してくる。
それをキッチンの上に置きながら、何を作るのか考えても想像がつかない。
「何作るの?」
「そうですね…牛肉のワイン煮込みに…なんちゃってパエリアに…スペインオムレツ…これなら作れそうですね。ワインにも合いそうですから、今日はワインで乾杯しましょう」
作れないと後退る私をよそに、ユキは鼻歌を歌いながら仕込んでいった。
「すごっ……」
調理をする手さばきは人並み以上にプロのような手早さだった。