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ずっと傍に……
第27章 舞い降りる奇跡…
「ユキ…いつも私に作ってって…お腹すいたって…てっきり料理はダメだと思ってた…」
驚いて聞けば、ユキは少し考えて言葉にする。
「…人が作った物が食べたかったんです…陽葵の料理は愛情がいっぱいで、食べていると幸せでしたよ。ですが、今日は陽葵の誕生日…いつものお礼も込めて僕が振舞いたいんです。もう少ししたら手が空きますから、梅酒を飲みながらソファーで待っててください」
梅酒とコップを渡されても、任せていいのかと思い悩んでいると、邪魔ですからと言われソファーに追いやられた。
ソファーからキッチンを見ると友紀也が料理をしているように見え、週末はいつも作ってくれていた事を思い出す。
料理が苦手な私と違って、幼い頃から料理を作っていた友紀也の腕もプロ並みだった。
それでも、ユキと同じ様に私の手料理の方が美味しいと毎日うれしそうに食べてくれた。
闘病中も学先生のはからいで毎日作って持って行っていたし、そのおかげで料理の腕も上がり栄養学も覚えた。