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ずっと傍に……
第27章 舞い降りる奇跡…
「ユキっ―――」
「さて、料理も出来上がる頃なので、陽葵のお誕生日を祝いましょう。24歳が素敵な年になるように…光輝くように!!」
私の言葉を遮って、ユキは出来上がった料理をテーブルに並べ始めた。
そして、友紀也の写真をテーブルに飾り、3つのグラスで乾杯をした。
ユキの料理はどれも美味しくて、今度から作ってもらうからと言うと、笑いながら辞退された。
それでも楽しい時間は過ぎるのが早くて、さっきまでユキと話していたこともすっかり忘れるほどだった。
こんな穏やかな時間は久しぶりで、友紀也が亡くなる前に戻った感じがしていた。
「陽葵、写真を撮りませんか?僕と陽葵の写真が一枚もないんですよね」
唐突に言い出したユキは、私からスマホを奪い取り勝手にセットした。
「陽葵、10秒後に数枚撮りますからね…押しますよ」
急いで私の横に座ってカメラに目線を送る。
10秒経つと、数回シャッターが下りる音がした。
スマホを手元に戻しチェックすると、素敵な写真が撮れていた。