この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ずっと傍に……
第27章 舞い降りる奇跡…
「ねぇ…ユキ…」
嬉しそうにスマホの写真を眺めているユキの名前をよんだ。
「どうしましたか?」
目線をスマホから私に向けると、優しい瞳が私を包み込み、大きな手が私の髪の毛を優しく撫でる。
「…うん…私ね。教師になりたい…友紀也の意志を継げるのはまだまだ先なんだろうけど、友紀也が照らしてくれた道を歩きたい…」
ずっと考えていたことに答えが出た私は、ユキに告げた。
はじめは驚いた顔をしていたユキも、目がなくなるんじゃないかってぐらい細めた。
「歩く道を決めたんですね」
「うん…ずっと考えてた。私が生きている意味。そして生かされている意味…私が友紀也の意思を継ぐことで友紀也は私の中で生き続ける。そう思う…だから、私は…教師になる」
それが私が決めた未来。
歩むと決めた未来だった。
そんな私に、ユキはキスをしてくれた。
そして…
「陽葵を抱きたい…抱いてもいいですか?」
いつもと違う真剣な瞳で告げられ、私はコクリと頷いた。
頷けばまた唇が重なり、やさしいキスをされた。
そのキスがやさしくて、なぜだか涙が一筋流れた。