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ずっと傍に……
第27章 舞い降りる奇跡…
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いつもは暖かな温もりに包まれているのに、今日はその温もりを感じなかった。
そして、いつもいるはずのユキの姿がベッドの上にはない。
私の横のシーツを撫でながら、ポタリポタリと涙が零れ落ちシーツに染みを広げた。
もう彼はいない…昨日の夜の言葉を思い出して確信する。
ゆっくりとベッドから立ち上がりリビングに足を向けた。
お祝いをして食べ散らかしていたテーブルは片付けられ、ユキの痕跡は跡形もない。
他の部屋を探しても、ユキの痕跡は何一つでてこなかった。
夢うつつで聞いたユキの言葉…
あれは本当に別れの言葉だった。
だから優しく私を抱いた。
愛情を示す様に大切に…大切に抱いてくれた。
それは友紀也と同じ抱き方。
私への愛情が溢れ出た優しい抱き方だった。
ユキは、自分の役目は終わったと言った。
だけど、まだまだ私にはユキが必要で、前に進むと決めても一人は寂しくて辛い…