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ずっと傍に……
第27章 舞い降りる奇跡…
「夕実とはやり直すことになったよ。あれだけ必死になったの初めでて…でもそれと同時に、当時は夕実の存在が当たり前で何もしてやってなかったんだなって気がついた。だから今度は大切にしたい…これも陽葵のおかげだよ…ありがとな」
その言葉を聞いてほっとした。
私の言葉が恭平さんの未来を輝かせたんだと思うとうれしかった。
こんな私でも人の役に立てたのだと…
「で?陽葵は?あれからどうしてた?」
あはははと笑うしかなかった。
前向きに歩んでいる恭平さんと違って後ろ向きな私は合わす顔がない…
「陽葵…俺にも言えない?近くなりすぎた?」
心配そうに聞いてくる恭平さんに頭を横に振った。
「そうじゃないです…ただ前を向いている恭平さんと違って私は後ろ向きだなって…一度は前に進もうと思ってたのに逆戻りして…」
うんうんと頷く恭平さんは以前と変わらず、ついつい喋ってしまう。
友紀也の病気の事、友紀也が亡くなった事、そして、誰にも話したことがないユキの事まで話してしまった。
その間中、恭平さんは口を挟まず、ただ黙って聞いてくれた。