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ずっと傍に……
第27章 舞い降りる奇跡…
『陽葵の匂い…やっと抱きしめることができました…』
『うん…友紀也の匂い…あのベッドには友紀也の匂いはあるけど温もりがない…だけど、今日の友紀也は温もりもある…生きていた頃と何ら変わらないね…』
『それは…陽葵が僕を感じ取ったおかげですよ。』
『友紀也を感じ取った?』
抱きしめられている腕の中から顔を上げて友紀也を見上げた。
『ええ…最後にも…手紙にも書いていたはずです。ずっと傍にいると。見えなくても傍にいるから感じて欲しいと…』
『…ずっと傍にいてくれたの?約束通り…ずっと…』
『ええ…ずっと傍にいましたよ。彼が傍で陽葵を支えてくれたことも知っています。ずっと見ていましたからね』
ずっと見ていたと言われて顔が赤くなる。
リビングでもベッドルームでも愛し合っている姿を見られたかもしれないと思うと恥ずかしかった。
『感じている陽葵の顔…かわいかったですよ』
クスクスと意地悪に笑う友紀也は昔と変わらない。