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ずっと傍に……
第28章 幸せの時の中で…
「それくらいにしておきなさい」
興奮しているママとは正反対のパパの言葉に私の心も静まる。
感情的になって良い事はない。
今は、この子を産むことだけを考えたい。
「私の我儘だって分かってる…ママが許せないのも理解できる。それでも産みたいの…。もし…それが許せなくて…親子の縁を切られても仕方がないと思ってる。」
そう冷静に告げると、ママはパパの腕を振り払おうと暴れ出した。
そのママを羽交い絞めで押さえながらパパは私に言った。
「少し頭を冷やしなさい。パパもママと同じで賛成はできない。頭を冷やしてから話し合おう」
「私は冷静だよ…時間を置いても私の考えは変わらない。…私はこの子と生きていく…ふたりっきりになったとしても…」
「親子の縁を切っても…良いということだな」
「父さん!!」
「蒼は黙ってなさい」
間に入ろうとした蒼を一喝したパパは、冷たい視線を私に向けた。
「お前が生まれた時……何があっても見守って行こうと決めた…。だが…これだけは認められん…許すわけには…いかん…」
絞り出す声に、心が痛くなる。