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ずっと傍に……
第28章 幸せの時の中で…
最後には大地くんの胸の中で声を出して泣き出してしまった。
志保さんからしてみれば、裏切られたと思うのも無理はない。
「ヒナ…今回のことはさすがに俺も…あんまりだと思う…。もし産むと決めたんなら、あのマンションは出て…紀也さんの遺産はすべて返すべきだ」
いつも私の味方だった大地くんは、今回は味方でいるつもりはないらしい。
彼女と友達の私との板挟みになれば彼女を取るのは当然で、責めるつもりも資格もない。
今まで傍で支えてもらっただけでもありがたいと思う。
「…志保さん…大地くん…ごめんね。でも、私はこの子とあのマンションで暮らすの…あの部屋を出ていくことはできない…ごめんね…」
それしか説明できなかった。
ユキのことも、夢の中で友紀也と話した言葉も、きっと誰も信じてくれない。
ただ都合のいいように話しているだけだと思われるだけ。
だったら何も言わない方がいい。
ふしだらと言われようと、酷い女と言われようと口を噤むしかなかった。
志保さんからしてみれば、裏切られたと思うのも無理はない。
「ヒナ…今回のことはさすがに俺も…あんまりだと思う…。もし産むと決めたんなら、あのマンションは出て…紀也さんの遺産はすべて返すべきだ」
いつも私の味方だった大地くんは、今回は味方でいるつもりはないらしい。
彼女と友達の私との板挟みになれば彼女を取るのは当然で、責めるつもりも資格もない。
今まで傍で支えてもらっただけでもありがたいと思う。
「…志保さん…大地くん…ごめんね。でも、私はこの子とあのマンションで暮らすの…あの部屋を出ていくことはできない…ごめんね…」
それしか説明できなかった。
ユキのことも、夢の中で友紀也と話した言葉も、きっと誰も信じてくれない。
ただ都合のいいように話しているだけだと思われるだけ。
だったら何も言わない方がいい。
ふしだらと言われようと、酷い女と言われようと口を噤むしかなかった。