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ずっと傍に……
第28章 幸せの時の中で…
いつもだったら、おしゃべりをしながら食が進まない友也は、一言も話さずにハンバーグに夢中だった。
家でもこれだけ食べることに集中してくれたらと思うけど、逆を考えれば、集中するほど私の料理が美味しいわけじゃないということになる…
もう溜息しか出てこない。
本当に、ちゃんと料理の勉強をしておくんだったと後悔。
「どうしたの?溜息なんかついちゃて」
溜息をついて項垂れている私を夕実さんは心配そうに見ていた。
思っていることを話すと、近くで聞いていたマスターが声をあげて笑った。
「これでも一応はプロだからね…主婦には負けないよ…けど、時間はかかっても食べてくれるんだろう?だったらそれでいいんじゃないのか?やっぱり母親の味が一番だからな」
これは…慰められているんだろうか…
「そう…ですかね…」
「お店の料理がおいしいのは当たり前、それだけの食材と手間をかけているからね。だけど、心を込めて作っていても、やっぱり母親の愛情には叶わない…なぁ、坊主。このハンバーグとママのハンバーグはどっちが美味い?」
子供だから駆け引きなど出来ずにここのハンバーグが美味しいと即答すると思ったけど、友也は首を傾げて考えこんでいた。
家でもこれだけ食べることに集中してくれたらと思うけど、逆を考えれば、集中するほど私の料理が美味しいわけじゃないということになる…
もう溜息しか出てこない。
本当に、ちゃんと料理の勉強をしておくんだったと後悔。
「どうしたの?溜息なんかついちゃて」
溜息をついて項垂れている私を夕実さんは心配そうに見ていた。
思っていることを話すと、近くで聞いていたマスターが声をあげて笑った。
「これでも一応はプロだからね…主婦には負けないよ…けど、時間はかかっても食べてくれるんだろう?だったらそれでいいんじゃないのか?やっぱり母親の味が一番だからな」
これは…慰められているんだろうか…
「そう…ですかね…」
「お店の料理がおいしいのは当たり前、それだけの食材と手間をかけているからね。だけど、心を込めて作っていても、やっぱり母親の愛情には叶わない…なぁ、坊主。このハンバーグとママのハンバーグはどっちが美味い?」
子供だから駆け引きなど出来ずにここのハンバーグが美味しいと即答すると思ったけど、友也は首を傾げて考えこんでいた。