この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ずっと傍に……
第28章 幸せの時の中で…
「自分で言ってごらん。遊んでくださいって。」
後ろに隠れている友也を私の前に立たせて言うと、何度も何度も私の方を向いてモジモジとして口を開こうとはしない。
人と関わらせなかったから人前で話すのが苦手な友也。
そんな友也の手を蒼は取って微笑む。
「友也、一緒に遊ぼうか?」
中々言い出せない友也に代わって蒼が声をかけてくれた。
友也は大きく首を振って、蒼に手を引かれて公園内の遊具で遊び出した。
流石に男の子だと感心する。
タコの滑り台だけでも息が上がるのに、蒼は顔色一つ変えずに友也につきあってくれている。
全ての遊具で遊び終わると次は鬼ごっこに変わった。
最初は蒼いが鬼ようで友也を追いかけ、友也は必死になって逃げている。
走りながらもキャッキャッと声をあげて笑う友也を見てうれしい。
私といる時とは比べ物にならないぐらいの笑顔で走り回っていた。
掴まった友也が次は鬼になり、蒼を追いかけ回す。
色々な遊具を使いながら逃げ惑う蒼を必死に追いかけ回しながら笑顔が絶えることはなかった。