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ずっと傍に……
第28章 幸せの時の中で…
「…色々ね…色々とあるのよ…。友紀也が亡くなって半年もたたずに妊娠した私だから色々言われてるのも知ってるし、周りからしたら最低なことだって分かってるよ。それでも…生きていくには誰かに縋るしかなかった…そしてこの子がお腹の中にいるって分かった時はうれしかったよ。どんな形でもこの子が私の元に舞い降りてきたことは奇跡だと思った…分かってもらおうとも思わない…ただ…今はこの子を守りたい。それだけ」
蒼は友也の顔を覗き込んで頬に触れた。
触れた瞬間、友也は私の腕の中でモゾモゾと動き蒼の手を握りしめていた。
「友也が生まれた過程は…許せる事じゃない。母さんと父さん、志保さんや大地さんが怒るのも無理はないと思う。」
握られた手をじっと見つめていた蒼は、顔を上げて優しく微笑んだ。
「けど…この子には罪はないんだよな…陽葵がこの子を守りたいって思うなら…俺も協力する…蒼お兄ちゃんって呼ばれたら…俺無理…友也可愛すぎる」
無邪気に蒼を追いかける姿が蒼の心を掴んだようで、蒼は友也にメロメロになっているようだった。