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ずっと傍に……
第29章 きっかけ…
―…
――…
―――…
『陽葵…辛いですね…』
『友紀也…』
いつの間にか目の前には友紀也が心配そうな表情で私を見つめていた。
そして頬に触れる温もりを感じることができた。
『友紀也の温もり…安心する』
頬に触れている手に縋ると、友紀也は私を抱き起し抱きしめてくれた。
身体全体で友紀也を感じると、うれしいのに涙が溢れてくる。
『ずっと…友紀也を感じてた…傍で見守ってくれてるのも分かってた…だけど触れたかったよ…友也がいて幸せだけど…やっぱり友紀也に触れたい、会いたい…』
弱っている私は、いつもだったら絶対に口に出さない事を口にする。
今しか言えないから。
目を覚ましたら弱音は吐けない。
『いつも傍にいますよ。いつも見守っています…頑張っている陽葵をいつも応援しています…応援することしかできませんが…僕はずっと傍にいますよ…』
髪の毛を撫でられながら、優しく…優しく囁く友紀也にギュッと抱き付いて甘えると、友紀也もギュッと力を入れて抱きしめてくれた。