この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ずっと傍に……
第29章 きっかけ…
『友也…』
聞こえてくる泣き声に胸が鷲掴みにされた。
まだまだ友紀也といたいのに、私の心は友也を優先してしまう。
そんな私の心が分かっている友紀也は、友也の元に帰ることを促す。
『それでいいんですよ。僕にとっても友也は宝物です…ですから友也を一番に考えてください…友也を笑顔でいさせてあげてください。友也が笑えば陽葵も笑う…陽葵が笑えば僕も笑顔になる。…陽葵…傍で見守っていますからね…』
友紀也の言葉に背中を押されて、私は友紀也に笑顔を向けた。
友紀也がずっと好きだと言っていた笑顔。
『…今日はありがとう…また…会える?』
『いつでも…陽葵が会いたいと思えばいつでも…愛しい陽葵…愛しています』
そう友紀也は言って、唇を重ね合わせた。
今はそれだけでいい…
愛しているという証さえもらえれば私は頑張れる。
『私も愛してるよ。誰より…友紀也を愛してる。』
もう一度、私から触れるだけのキスをして瞳を閉じた…