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ずっと傍に……
第29章 きっかけ…
「この席、最悪!!楽しいはずの披露宴が誰かさんのおかげで気分は最悪じゃない。」
「ちょっ…」
千佳の心無い言葉に慌てる大地くん。
だけど、毒づいた千佳が大人しく黙るはずはなかった。
「大地くんは平気なの?志保さんの事考えたら許せないよね。一生許せるはずがない。志保さんがいるって分かっていて、誰の子かも分からない子を平気で連れてくる神経が分かんない。その子供も躾もなってないし、両親の顔を見てみたいわよね…って片親だったか。」
「千佳!言い過ぎだって」
流石に大地くんが声を荒げた。
それでも何かのイライラを私にぶつけるように、千佳の毒は止まらない。
「あ~あ…せっかくの咲の晴れ舞台なのに最悪…。咲ももう少し座席を考えてほしかった」
段々と声が大きくなる千佳を見ると、私を確認した千佳は思いっきり顔を背けて何もなかったかのように大地くんと話し始めた。
「千佳にそこまで言われる筋合いない」
さすがに私もカチンと来て千佳の背中に言い返してしまった。
千佳は体をビクッと震わせ、ゆっくりと私の方に振り返った。
数年ぶりに、しっかりと向かい合っても険悪のムードは変わりはない。