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第29章 きっかけ…

「…何…それっ…それとこれと関係ないよね。…それに…いつ私が友也を愛せないって言った？愛情注いで育ててきたよ。誰に何も言われないように大切に育ててきたよ。見てもないのに勝手な事言わないで！！」

完全に気持ちが爆発する。
穏便に済ませようと聞き流していた言葉も聞き流せなかった。
最低なのは分かってるし、友紀也を裏切ったと思われても仕方がないし、傍から見たら最低だったかも知れない。
だけど、私は懸命に友也を育ててきた。
片親だと馬鹿にされないように必死に頑張ってきたのに、それを知りもしないで私を…友也を馬鹿にされることだけは許せなかった。

「志保さんには悪いことをしたと思ってる…勝手に友也産んで…苦しめたって分かってる…だけど…私には友也が一番大切。こんなかわいい子…他にはいない…そんな友也を馬鹿にしないで…愛せてないなんていわないで！！」

言葉にしながら涙が溢れてくる。
こんなんじゃなかったはずなのに…
千佳と仲直りできなくても、ただ咲をお祝いしたいだけだったのに…