この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ずっと傍に……
第29章 きっかけ…
「お外に出ようか?おいで」
手を差し伸べると友也は私にギュッと抱き付いて小さく泣き出した。
その姿を見ると辛くなる。
私の油断が、一番傷つけたくない相手を傷つけた。
「ごめんね…来ないとよかったね…ごめん…」
友也に謝りながら、私は披露宴会場を出てロビーのソファーに座った。
友也は私に抱き付いたまま泣き続けている。
子供だったら声をあげて泣けばいいのに、友也は静かに泣き続ける。
暫くロビーにいると、披露宴も終わったようで咲と拓くんが出てきてお見送りの準備を始めていた。
心配かけるといけないから、私は咲たちに見つからないようにしていた。
ザワザワザワと周りがうるさくなり、披露宴に参加人たちが出てきて賑わっていた。
ある程度人が出てから戻ろうと身体を揺らしていると、友也はウトウトとし初め眠ってしまった。
6歳にもなると寝てしまった友也は意外と重く、引き出物等を持って帰るのはどうしようと考えてしまう。
「…ヒナ…」
どうしようかと考えていると大地くんの呼び声が聞こえて振り返ると、大地くんが気まずそうに立っていた。