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ずっと傍に……
第29章 きっかけ…
「…これ…もうあの席誰もいなくなるから持ってきた…ここに置いていていい?」
「…うん…ごめん…ありがとう…」
私の横に引き出物と私物を置いてくれた大地くんにお礼を言っても、他に続く言葉がなかった。
昔はあんなに色々と話したのに今は何を話して良いのか分からない。
「2次会とかは…行かれないよな?」
「…うん…泣き疲れて寝ちゃったから…嫌ない思いさせて…ごめんね」
千佳との言い合いの時に間に入ろうとしてくれた大地くんに謝ると、気にするなと言って少し笑ってくれた。
「…もう行った方がいいんじゃない?私と話してると千佳も志保さんもいい気はしないよ…」
遠くから睨まれているのが分かり、私のせいで喧嘩なんてして欲しくなくて伝えると大地くんは何とも言えない顔をする。
「…本当はさっ…千佳もヒナと仲直りしたがってるんだ…だけどああいう性格だろう?素直になれないっていうか…だから許してやってよ」
「…私の事だったら何を言われてもいいよ…嫌われて当然だと思ってる…だけど友也を傷つける事だけは千佳だろうと許さない…千佳がまた同じような事をするなら…私は二度と会う気はない…」