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ずっと傍に……
第29章 きっかけ…
私の言葉に大地くんは渋い顔をして、ちらりと千佳と志保さんの方に目を向けた。
ふたりは機嫌が悪そうにロビーの隅で私たちの事を睨みつけ続けていた。
「帰るね…荷物持ってきてくれてありがとう」
居心地の悪い私は逃げるようにホテルを後にした。
抱きかかえる友也は重く、引き出物も重い。
披露宴で退屈をした時の為に持ってきたお絵かき帳などが荷物になってしまった。
トボトボと一人帰っていると虚しく思えてくる。
快く受け入れてくれないと分かっていても、あそこまで完全無視されて嫌味まで言われるとは思ってもいなかった。
それによって友也に悲しい思いをさせてしまったことが一番辛い事だった。
私の腕の中で眠っている友也の顔を覗くと、頬には涙を流した痕がくっきりと残っている。
「ごめんね…」
その涙の痕を拭きながら、小さく謝り駅で電車が来るのを待った。
家までタクシーで帰りたいけど、距離を考えると電車になってしまう。
友紀也が残してくれたお金で生活しているから無駄遣いだけはしたくなかった。
ふたりは機嫌が悪そうにロビーの隅で私たちの事を睨みつけ続けていた。
「帰るね…荷物持ってきてくれてありがとう」
居心地の悪い私は逃げるようにホテルを後にした。
抱きかかえる友也は重く、引き出物も重い。
披露宴で退屈をした時の為に持ってきたお絵かき帳などが荷物になってしまった。
トボトボと一人帰っていると虚しく思えてくる。
快く受け入れてくれないと分かっていても、あそこまで完全無視されて嫌味まで言われるとは思ってもいなかった。
それによって友也に悲しい思いをさせてしまったことが一番辛い事だった。
私の腕の中で眠っている友也の顔を覗くと、頬には涙を流した痕がくっきりと残っている。
「ごめんね…」
その涙の痕を拭きながら、小さく謝り駅で電車が来るのを待った。
家までタクシーで帰りたいけど、距離を考えると電車になってしまう。
友紀也が残してくれたお金で生活しているから無駄遣いだけはしたくなかった。