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ずっと傍に……
第29章 きっかけ…
暫く待っていると電車がホームに入り、人の波に乗って乗り込もうとした。
その時、後ろから手を引かれて電車に乗ることができなかった。
振り返ると息を切らした大地くんがそこにいた。
どうしてここにいるのかと驚いていると、電車のドアは閉まり乗ることなく出発する。
「…腕…痛いよ…」
強く握られている手が痛くて言葉にすると、サッと手を離してくれた。
「…ごめん…。咲に言われて迎えに来たんだ…。ヒナが帰ったって言ったら問い詰められて…俺も千佳も叱られた…戻ってきてくれないか?」
「…それは無理だよ…また友也を傷つけるだけ。さっきも言ったように友也を傷つける事だけは許さない…千佳だろうと…」
心無い言葉で友也が傷つくのを恐れている私は、せっかくの申し出を断った。
「それは…大丈夫だと思う…俺も言ったように、あれは千佳の本心じゃない…ヒナが帰ったあと泣いてたよ…酷い事言ったって…」
「今更…遅いよ…。泣くぐらいなら言わなきゃいいじゃない」
大地くんにこんなことを言っても仕方がない事は分かっていても言ってしまう。
その時、後ろから手を引かれて電車に乗ることができなかった。
振り返ると息を切らした大地くんがそこにいた。
どうしてここにいるのかと驚いていると、電車のドアは閉まり乗ることなく出発する。
「…腕…痛いよ…」
強く握られている手が痛くて言葉にすると、サッと手を離してくれた。
「…ごめん…。咲に言われて迎えに来たんだ…。ヒナが帰ったって言ったら問い詰められて…俺も千佳も叱られた…戻ってきてくれないか?」
「…それは無理だよ…また友也を傷つけるだけ。さっきも言ったように友也を傷つける事だけは許さない…千佳だろうと…」
心無い言葉で友也が傷つくのを恐れている私は、せっかくの申し出を断った。
「それは…大丈夫だと思う…俺も言ったように、あれは千佳の本心じゃない…ヒナが帰ったあと泣いてたよ…酷い事言ったって…」
「今更…遅いよ…。泣くぐらいなら言わなきゃいいじゃない」
大地くんにこんなことを言っても仕方がない事は分かっていても言ってしまう。