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ずっと傍に……
第29章 きっかけ…
「なんでだろうね…誰とも会いたくなかったし喋りたくもなかった…心配してくれてるのは十分に伝わってたけど苦痛でしかなかった…大丈夫?元気出して?辛いよね?…その言葉を言われるのが嫌で仕方がなかった…辛い事分かってるならほっといてよって…だからあの時…ふたりに酷い言葉を言って追い返してしまった…次の日に咲が一言だけ言いに来てくれたけど…」
「それはちゃんと分かってるよ。陽葵の想い…ちゃんと口にしてくれたじゃない、LINEもしてくれてたじゃない。だからそれは私も千佳も分かってるから」
「分かってない…咲…分かったふりするのよそうよ…あの時、私たちも傷ついたじゃない。あんな言い方されて…悔しくて泣いたじゃないない。私は許せなかった…あんな酷い言い方されて許せなかった…陽葵だから…陽葵だから許せなかった…それでも心配で、それなのに勝手に自己完結して子供ができたから生きていられるって何勝手な事言ってるのよ…陽葵の中に私たちいないじゃない…私たちって陽葵の何?友達じゃないの?楽しい時だけ一緒にいられればいい都合のいい友達なの?」
初めてぶつけてくる千佳の心に何も言えなかった。