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ずっと傍に……
第30章 助けて…
初めての父親参観が始まった。
プリントに書いてあった通り、1年生はドッチボールで、最初は子供対大人での戦い。
私は蒼のおかげで見ているだけだったけど、篠田さんは父親と混ざってドッチボールに参加する。
もちろん大人は手加減するし、それによってどんな人なのか見えてくる。
おちゃらけた人、まじめな人、様々で見ている方も違う意味で楽しくなってきた。
子供対大人が終われば、今度は親子がペアーを組み二手に分かれての戦いになった。
蒼は一番若いだけあって身軽にボールを避けていく。
最初は子供相手に手加減していたけど、大人相手となると本気になるらしい。
強い球を受けると、大人めがけて投げつける。
たまに子供へ緩い球を投げて、一応その場を考えながら投げていた。

「蒼!やるじゃん」

「何が?」

試合が終わり、友也と戻ってきた蒼に声をかける。

「大人には本気、子供には手加減。大人になったねぇ~」

わざとシミジミして言うと、ゴツッとごつかれた。

「それ当たりまえ。子供に本気になってどうすよ。なぁ~友也」

友也を抱き上げる蒼はどこから見ても若きパパで、若いお母さまたちから人気でドッチボールの間中黄色い声援が飛び交っていた。
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