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ずっと傍に……
第30章 助けて…
「大丈夫よ。それより、友也が引っくり返すの?」
「うん。ボクが引っくり返すの。」
ヘラを二本持って引っくり返す気満々になっている友也に、蒼は手を添えて一緒に引っくり返す。
友也が引っくり返せるように小さく作ったから綺麗にひっくり返ることができた。
次は自分だけでという友也にドキドキする。
失敗しないか、火傷をしないか気が気じゃない。
「やったぁ~ボク出来た!!」
私の心配も余所に、きれいに引っくり返してご満悦の様子でホッとした。
それから、友也はソースを塗り鰹節をかけ、マヨネーズをかけて全てを作ってくれる。
「美味しい…友也の作ったお好み焼き、とても美味しいよ」
褒めると、いつも以上に嬉しそうに笑った。
お好み焼きをヘラで切って食べる友也を見て、子供の成長は早いと思う。
まだお腹の中にいた時、初めて寝返りを打った時、初めて歩き始めた時、泣かずに幼稚園に行くようになった時…その時は生活に精一杯でそれほど考えたことはなかったけど、こうしてゆっくりと時間を過ごせるようになると、友也の成長を感じずにはいられなかった。