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ずっと傍に……
第30章 助けて…
「蒼お兄ちゃん。今日は泊ってくの?」
買い物をして手を繋いで帰っていると、少し寂しそうに蒼に聞く。
もっと遊んで欲しいんだろうと思っても、蒼には蒼の生活があって迷惑をかけられない。
「蒼お兄ちゃんも用事があるんだよ。また今度遊んでもらおう」
そう言うと、友也はチラチラッと蒼を見て答えを待つ。
この目線でみつめられると蒼は弱いからお泊りは決定。
「明日の朝早いから、友也が起きたらいないよ。それでもいいなら泊まれるけど?」
「本当???泊るの?やったぁ~~」
飛び上がって喜ぶ友也を抱き上げる蒼もうれしそう。
「大丈夫?無理しなくていいよ」
「いや…俺が友也といたいだけだから…朝早いって言っても人の運転だから車で寝れるし気にするな」
私の頭をぐしゃぐしゃと撫でまわして、蒼は友也を抱いたまま歩き出した。
その後ろ姿を見ながら、その背中に友紀也の背中を重ねた。
本当だったら、そこを歩くのは友紀也だったと…考えても仕方がないと分かっていても考えてしまう。