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ずっと傍に……
第30章 助けて…


―――――…


それは夏が終わろうとしていた頃、外では秋を知らせるツクツクボウシの音色が鳴り響いていた。
その日は朝から胸がザワザワとして、言いようのない不安が込み上げていた。
何か昔の嫌な記憶と酷似しているようで落ち着かなかった。
その不安も一本の電話で現実のものとなる。

「ごめんなさい…もう一度言ってもらっていいですか?」

それは、土曜日のある日、秋の遠足に出かけている友也の担任からの電話だった。
この先生はいったい何を言っているんだろうかと、戸田先生の言っていることが理解できなかった。

「ですから、友也くんが怪我をしてしまって、出血が酷くて病院に向かっている最中なんです。時田病院が友也くんのかかりつけだと聞きましたからそちらに向かっています。お母さんもすぐに来てください」

一方的に電話を切られ呆然とする。
朝からの嫌な予感はこれだった。
そして酷似していると思っているのは、蒼が怪我したと電話がかかってきた時と季節も同じ。
それは予感…それとも虫の知らせ…
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