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ずっと傍に……
第30章 助けて…
「…学先生…友也は…大丈夫じゃ…ないんですね…」
「お父さんに電話をして来てもらいなさい。言っている意味分かるね。」
大丈夫だよと言ってくれない学先生に不安を覚えながら、私は数年ぶりにパパの携帯に電話をかけた。
出てくれる保証はない。
助けてくれる保証もない。
だけど、今はパパに頼るしかなかった。
『…はい…』
数回コールが鳴ると、パパの冷たい声がした。
その声音に一瞬怯んだものの、友也を助けるためにパパに助けを求めた。
「…パパ…助けて…友也を…助けて…」
切羽詰まった私の言葉に、何かを察したパパは静かに告げた。
『………落ち着いて…何があったかちゃんと説明しなさい。説明もなしに助けてと言われてもどうしたらいいか分からないだろう?陽葵…友也を助けたいのならお前がしっかりしなさい。母親だろう?』
私を落ち着かせるために、いつものパパに戻ったパパに泣きそうになる。
だけどパパの言う通り、説明しないとパパは来てくれない。