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ずっと傍に……
第30章 助けて…
どれくらい廊下の椅子に座っていたのか分からない。
処置室から袖を捲り上げたパパが現れた時は、もう動く事すらできなかった。

「…パパ…」

それだけを口にすると、パパは私の横に座って抱きしめてくれた。
強く…強く抱きしめて、昔みたいに頭をポンポンと撫でてくれる。

「もう大丈夫だ…もう少ししたら処置も終わるらしいから待っていてあげよう」

「…大丈…夫?」

パパの胸の中から顔を上げて聞くと、パパの手が私の涙を拭う。

「ああ。学先生からの伝言だ。安心しなさい…。私に会いたかったのは、友也が私と同じ血液型だったからなのか?」

私は静かに頷いた。

「…お願いできる立場じゃないのは分かってた…けど…友也に何かあった時…輸血が必要な時はパパにしか頼めないから…自分勝手なお願いだとは思ってる。だけど…だけど…もう…大切な人を失うのはイヤ…友也は何が何でも守りたい…私の命に引き換えにしても守りたい…」

話しながらポタポタと涙が零れていく。
そして、パパの胸の中で声をあげて泣いた。
友也が生まれてから一度も泣くことはなかったのに、張り詰めた糸が切れたみたいに泣いた。
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