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第30章 助けて…

「その人のおかげというより…友也のおかげかな。友也がいるから私は生きてる。おなかの中に友也がいるって分かった時、うれしかった。何もない私の手の中に奇跡が舞い込んできたって思った。この子のためだったら何でもする。パパやママ、他の誰に認めてもらえなくても、この子だけは何がなんでも守ろうって思えた。」

「友也が…陽葵をこの世に繋ぎ止めているのか？」

今にも泣き出してしまいそうな程、パパの瞳が揺らぐ。

「…そうだね…だけど、それだけじゃない。友紀也も私が後を追うことを許してはくれなかった…先の先まで見越して私の歩む道を照らし続けてくれた…友紀也の存在も確かにあるの。だけど、一番は友也がいたから私は…生きていく道を選んだ。私は今…友也の為だけに生きてる。友也が笑って過ごせるように…友也が笑ってると私も笑えて幸せなの…その友也をどうしても守りたい！！」

私はもう一度、頭を下げた。
これだけは何があっても承諾してほしかった。