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ずっと傍に……
第30章 助けて…
「お願いします。どうか…友也の力になってください。そして守ってください」
「―――…パパたちは…どうしても陽葵の気持ちが理解できなかった…」
顔を上げると、パパは少し寂しそうに笑って私の手をギュッと握りしめた。
「友紀也くんが亡くなって…ひとりで頑張ってると思ったらいきなり子供ができて産むと言い出した…家族の縁を切ってまで産みたいと言い張る陽葵の気持ちが分からず理解に苦しんだ…それでも心配しなかったわけじゃない…妊娠中の陽葵の様子は学先生から聞いていたし…友也が産まれた日も……分娩室の前で友也が産まれてくるのを待っていた…陽葵が抱いた後に友也を抱いたのはパパなんだよ。そしてママに蒼に…抱かせてもらった…小さくて小さくて可愛らしかったこと…今でも覚えているよ」
パパの口から語られる事に驚きながら、ずっと見守っていてくれたことを初めて知った。
離れていても私はパパとママに愛されていたことに、また涙が溢れ出す。
その涙をパパは拭って、優しい眼差しを私に向け続ける。