この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ずっと傍に……
第30章 助けて…
「陽葵と友也に会うためだよ。そして私たちがこの家にいるのを知っていて陽葵たちを連れてきた…蒼なりに私たちと陽葵の中を取り持とうとしてたんだろうね…それからは陽葵の所に行くたびに陽葵の事や友也の事、色々話してくれたよ。パパたちは会いに行ってはやれないけど…蒼が傍にいてくれることに安心もしていた…」
蒼がそんな思いで私たちに会いに来てくれていた事さえも知らなかった。
「私は…何も知らなかったんだね…自分の事…友也を育てるのに必死で…パパやママ…そして蒼の優しさに気が付けなかった…」
本当にそう思う。
こんなにも私は愛されていた。
会うことはなくても、ずっとパパやママや蒼の心の中に私はいた。
どんなに許されない事をしても、許されない言葉を投げかけても、私は愛されていた…
「陽葵…友也が退院したら…家に来なさい。」
「…いい…の?」
思いもよらない言葉に声が上擦った。
「きっと…きっかけなんだ…パパは今回の事で陽葵と友也に会うことができた…ママだってきっかけがあれば…陽葵と友也に会うと思う…」