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ずっと傍に……
第30章 助けて…
「おばあちゃんに会えるかなぁ??」
まだ会った事のないおばあちゃんに会いたい友也は少し興奮しているかのように瞳をランランと輝かせていた。
パパは大丈夫だからと言ってくれても、ママが会ってくれる保証はどこにもなくて、会えなかった時の友也の落胆を考えると素直に喜べなかった。
いつの間にか、タクシーは懐かしい道を通り、私の生まれ育った家に到着した。
タクシーから降りると、玄関の扉が開き蒼が顔を出した。
「蒼お兄ちゃんだぁ~」
友也は私の手を離して一直線に蒼の腕の中に飛び込んで抱き上げられる。
「おっ!!元気になったな!!」
「うん。ボク、元気だよ。今日ね。おばあちゃんに会うの楽しみなの」
その友也の言葉に蒼の顔が一瞬だけ歪み、友也が寂しい思いをするだろうと察した。
「…そうだな…それより、おじいちゃんが待ってるよ。入ろうか」
蒼は私の手から荷物を乱暴に奪うと、友也を抱いたまま家の中に入って行った。
玄関の中まで入ったはいいけど、上がって良いのか躊躇する。
躊躇しているとリビングの方で友也の笑い声が聞こえた。
ここにいても仕方がないと家に上がり、リビングに入る時に一言かけた。