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ずっと傍に……
第30章 助けて…
「そんなに気になるのなら一緒につくってきたらどうだ?」
ソワソワしている私に気がついたパパは声をかけてくる。
だけど、私が一緒に立って嫌じゃないだろうか…
そこまで近づいていいのか悩んでしまう。
それ程までに9年という歳月は長すぎた。
「手伝うよ…でいいんじゃないのか?さっきはママから歩み寄ったんだ…次は陽葵から歩み寄ってあげたらどうなんだ?大丈夫…ママは今でも陽葵の事を愛してる。そして友也の事も認めてる…友也の為にも頑張るんだろう?」
その言葉に勇気づけられて、ママが立つキッチンに緊張しながら近づいた。
ママは玉ねぎの皮を剥いていてハンバーグ用にみじん切りにしようとしていた。
「…何か手伝うよ…」
それしか言えなかった。
言いたいこと、言わなければいけない事いっぱいあるのに、パパから言われた言葉しかでてこなかった。
「…そうね…だったらみじん切りにしてちょうだい」
ママは玉ねぎをまな板の上に置いて場所を変わった。