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ずっと傍に……
第31章 進むべき道…
「小林先生…私は、桜木先生を見てきました。いつも大変そうで…定時に帰ることは稀。週末もあってないようなもの…この子が生まれてから幼稚園・小学校以外で離れて過ごした事はないんです。それが急に変わったら、この子がどう反応するのか…それが心配で踏み出せません」
「そうだな…桜木先生がいたころは、それが当たり前だったな。部活もあったし、教員は大忙しだった。けどな、時代は変わった。教師の待遇が良くはなってきてはいる。週末の部活は、土曜日の午前中のみになったし。早朝課外もなくなった。カウンセラーの専門の先生が出入りするようになって、保護者とのいざこざもなくなった…教える事だけに集中できるようになったのは事実だ」
説明を受けながら、教育現場の変わりように驚いた。
教師は忙しいものと思い込んでいた私は、緩和になった教育現場にもしかしたらと期待する。
「もし…教壇に立つ環境だったら立ちたいか?」
「もちろんです。…不安はありますが…立たちと思います。それはずっと思っていた事ですから…」
小林先生はそうかと言って、席を離れて行った。