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第31章 進むべき道…

三輪田先生は高校3年間、社会を教えてもらっていた。
このバリトンボイスが特徴で、180㎝の長身で、友紀也と違いお洒落で目立っていた。
授業も面白くて、どの学年も三輪田先生が教えるクラスは成績がよく、女子生徒だけではなく男子生徒にも人気のある先生だった。
その先生も私たちが卒業して数年経った後、教育庁の方に行ったと聞いた。

「戻ってきたんですか？」

「ああ。5年前に校長として戻って来たんだ。」

「えっ…嘘ッ！！三輪田先生、校長？？？」

校長という言葉に驚くと、してやったりとニヤリと笑われた。
そうだった。
三輪田先生は、人を楽しませるのが大好きな先生だった。
それが生徒たちに人気の理由。

「あの三輪田先生が…なんか、感動しちゃった」

自分の知っている先生が、その高校で校長になっていることがうれしかった。

「俺も感動したぞ？田崎も教員になりたいんだって？それも桜木先生の意志を継いで」

良い子だと言うように頭を撫でられ、褒められたことに嬉しくなる。
だけど、なりたくてもなれない現実もある。