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会員制秘密趣向倶楽部 ~お好きなプレイを~
第4章 フィギュアプレイ
「父さんから譲り受けた時、十一階を全部ぶち抜きで、部屋にしたから」
父親がお金持ちなのか。でもこんな高級マンションを所有しているのだから、彼もお金持ちには違いない。
長い廊下に1つだけしかないドアを入ると、広い玄関。
彼は私を急かすように手招きして、どんどん廊下を奥へ進んで行く。
「この部屋で、好きな衣装に着替えて」
「はい……」
部屋に入ってみると、壁中がアニメのポスターだらけ。棚にはフィギュアの数々。隅のハンガーラックには、二十着以上のドレスが掛けてある。
アニメのコスプレ……。
やっと彼の趣向が解った。
私は動くフィギュアになればいいんだ。
自分の服に興味は無く、こういった物に費やしているのだろう。
私は一度ドアを開けた。
「あのー。ブラと下着は、脱いだ方がいいですか?」
「あっ……。ブ、ブラだけ外して……」
「はーい」
服を脱いで適当な衣装を着てみると、胸がピッタリ。
多分このキャラはGカップだから、それを指定してきたのだろう。
デコルテの大きく空いた、膝まであるドレス。ラックの下には、靴まで用意してある。
着替えて部屋を出ると、私を見た男が目を輝かせた。
「ミリナ様……。こっちに、来てください」
「はい……」
二つ手前のドアを開けると、豪華な寝室。壁際の棚はまたフィギュアでいっぱいで、私が着ている服のものもある。
「ミリナ様はね、王女で、相手をおまえって呼ぶんだ。他も王女の事もだし。それは四話のドレスか……」
彼がデッキにDVDを入れると、アニメが流れ始める。私が着ているドレス姿の美少女が出ていた。それを観ながら色々と語った事をまとめると、私にミリナ様になって欲しいらしい。
それが解れば、大丈夫。ミリナ様の口調も大体解った。
「もう消して。早く服を脱いで、ベッドに寝なさい?」
「ミリナ様、俺は、経験が無くて……。その……。童貞なんです」
私は驚きの表情をごまかした。
「今日は、私が教えてあげるから。言うことを聞けばいいのよ?」
そうは言ったが、四十代の童貞さんをどうすればいいかよく解らない。
「ミリナ様以外とは、したくなかったんです」
私はイケメンの出てくるゲームが好きだから、その気持ちも解らなくは無かった。