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舞い散る花びら
第1章 とつぜんの脅迫
理事長室に呼ばれてからもうすでに30分ほどたっている。
そろそろ緊張もほぐれてもよさそうなのに、さくらの心臓はまだドキドキしていた。
(おかしいなぁ・・ もうそんな緊張もしていないのに・・)
とさくらは思いながら、落ち着こうと深呼吸をした。
心なしか息が浅い気がする。
学院長がとうとつに切り出した。
「野々宮さんの昨年の論文の成果には大変喜ばしいと感じているし、
今後の活躍には我々学院のトップも大いに期待しているんだがね・・・
ちょっと気になることが実はあるのだよ。」
「気になることですか?」
さくらは全く何のことだかわからず、聞き返した。
「驚かないでほしいのだが、我々としても万が一のことがあれば
学院の名前に傷がついてしまうのは困るんでね。
実は、君が風俗で働いているという情報が匿名で学院に入ったんだ。」
と渋い顔をして学院長は言った。
「ご丁寧にも写真付きでの投稿だ。」
と理事長が言い、5枚の写真を机の上に並べた。
さくらは写真を見るとあまりの衝撃に声も出せず、ショックで自分の肩を抱き震えた。
それはよくある風俗店のプロフィール写真と店内で接客中(いわゆるプレイ中)
に撮影されたと思われる写真だった。
プロフィール写真は2枚あり、セクシーなランジェリー姿であどけなくも妖美に微笑む
女性の写真だが、体系もさくらの体系によく似ており、顔をまぎれもなくさくらだ。
残り3枚の写真は、どうやらSMプレイのようなものをしているところのようで
ランジェリー姿で縛られ首輪をつけられている女性の写真。
ソファに縛り付けられ陰部になにやらよくわからない機械を当てられ
苦しそうな顔をしている写真。
同じくソファに縛り付けられ、陰部に卑猥な形のおもちゃを入れられている写真だった。
信じられないことにすべての写真がさくらの顔なのだ。
それも明らかに合成したという感じではなく、表情も写真のそれぞれのシーンに
合っており、ますますさくらは混乱した。
「そんなっ・・・ これ、私じゃありません。風俗で仕事なんてしていません!」
半ばパニックになりながら、さくらは声を震わせながら叫んだ。