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湯上がり慕情 浴衣娘と中年ピンチ君
第4章 夏の夜
 奈々の肩を抱いたまま、野上は問いかけた。
「綺麗な浴室だね。建物の感覚からすると、この向こうはお隣さんの浴室かな。音は聞こえる?」
 奈々は自分の胸を抱いたままだった。野上を見上げ、
「ダイニングとか寝室からは全く聞こえないんだけれど、浴室だけはほんの少しだけ響いてくるよ」
 と茶目っ気な上目づかいの素振りで、唇にすき間をつくった。
(ほう、その唇はこの極太を入れたとき、どんなふうにお口をあけるのか──。だけど唇のすき間は、キスをしろと言う意味だろうな。しかも舌を絡めて欲しいに違いない。だが、まだまだ焦らす)
「じゃあ、大きな声を上げちゃだめだ。それに、俺の言うことは全てきくんだ。オッケー?」
 奈々は、裸でいるだけで子宮が疼く気がした。強引に唇を奪われたかった。背後から乱暴に胸を揉まれたい。乳首を舐められて噛まれたい。マットを敷いて尻だけを突き上げされられ、性器を指で広げるように強要されて、太い肉棒で犯されたかった。
 何とも言えない笑みを見せた奈々は、「うん、オッケー」と、胸を隠したまま言った。そして、うつむき加減に唇に指をそえた。
「それでは、まず最初に俺のタオルを取って? だけど、あそこに触っちゃだめだ」
 奈々は、早くタオルを取って見てみたいと思った。そのあと、野上さんが満足するまでフェラチオをしてあげたい。挿入されて、お尻を回したい。
「あぁ…、恥ずかしいです」
 彼女は自分の胸を抱いたまま彼を見て、欲情しきったような火照り声を上げた。それでも直ぐに、奈々は突き上がるタオルに目を向けた。
 女性には優しく話しかけ、こんな時には物事を強引に進める野上なのである。
「ほら、俺の正面に立って、ゆっくり取ってごらん」
 奈々は観念したらしい。照れた素振りのあと、うつむいてタオルの端を掴むのだった。
 端を掴んでいる奈々だったが、どうしていいのか分からない顔を彼に向けた。
 もしかすると、風で飛んできたタオルが道端のお地蔵さんに被さり、ほっかむりをしているように見えているのかも知れない。
(眉じりを下げた奈々の顔って、ほんと可愛いよな)
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