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湯上がり慕情 浴衣娘と中年ピンチ君
第1章 それぞれの思惑
 由香は目を細めたまま、まつ毛の隙間から父をじっと見てくすくす笑った。
「だけどさ、お爺ちゃんも、近所の絵里花ちゃんもご両親も、健太を気に入っているんだよね。私たちは幼なじみのままなんだけどね」
「あの生意気な絵里花まで? そうやって魚で周りの人から落とそうとするんだよ。それが奴の手口なんだよ、騙されちゃだめだ。幼なじみのままでいいんだよ」
 由香は涼しげな顔で父を見て、麦茶をごくりと飲んだ。
「あのさ、早くお風呂に入ってきたら? 私、お爺ちゃんにメールしてあげなきゃ。それに健太にも。それにね、洗濯機に作業服を入れちゃだめ。洗濯物はかごだからね、後で洗ってあげるから」
「どうせ洗うんだから、いいじゃないか」
「だめ!」
 野上は親父はいいとしても、娘が健太に送るメールの内容が気になった。だがそれを聞けば冷たい目で睨まれるのは分かる。どうしても聞けなかった。

 野上はドアを開けた。洗濯機は止まっていた。由香が風呂から上がったばかりのサッシのガラスは雲っていた。甘酸っぱい入浴剤の匂いが充満していた。
 由香がだめと言うときには、既に何かを洗っていたときだ。何かは見当がつく。
 以前野上は知らずに開けたことがある。そこには脱水された娘の下着などが周りに張り付いていた。あの時にはパンティはシンプルな花柄に見えて、それから察すると、バージンだと思えて安心したことだった。
 今回は知らないふりをして、中を覗いていてみたい気はある。以前の可愛い花柄に代わり、セクシーなパンティだとすれば──。だが、手を握られたこともないと聞かされれば、バージンだと分かる。娘とはいえプライバシーに関する。野上は考えたあげく、どうしても覗けなかった。
 野上は衣服を脱いで浴室に入った。
 だがこのとき洗濯機の中には、黒い紐パンティが可愛い花柄に絡みつくように張り付いているのであった。

 湯船にはミルクを溶かしたような湯が張られていた。
 野上は体を湯で流しながら、世間には自分と同じく、娘と父親で暮らしている家庭は意外に多いのかもしれないと思った。
 湯に浸かると、こんなふうに顔も洗うんだろうなと、両手で湯をすくいあげた。体が入浴剤のせいで、ちょっと女臭く思えるのは自分では好ましくないのだが、自分と同じように若い娘と暮らす父親は、それがいいのだと言うのかもしれん、と思えば妙に可笑しかった。
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