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湯上がり慕情 浴衣娘と中年ピンチ君
第5章 花火大会
 ソファに腰を下ろした野上は、奈々に目を向けた。
「俺の隣りに座ってごらん」
 紙袋を手にしている野上に、それを見ている奈々の態度は無意識に違いない。握った両手を口もとに添えている。黙ったまま、奈々は彼の隣りに尻を下ろした。
「奈々ちゃん、紙袋から取り出して自分でパッケージを開けて?」
 彼女は野上に寄りかかり、彼の左腕を抱きしめて紙袋を見ていた。奈々は困ったように肩をすくめて頭を振った。
 野上は、強く抱かれている腕に弾けるほどの胸の盛り上がりを感じた。熟しきった裸体が浮かんでくる。奈々に自ら乳房を揉ませ、爪先立ちで尻を浮かすように指図して、股を広げさせた性器に、これを入れる光景が野上に浮かんだ。
「じゃあ俺が開けるけど、これを見ても驚くんじゃないよ、いい?」
 野上と顔を見合わせた奈々は、上目づかいでちょっと眉尻を下げて、照れたように何度か頷いた。
 紙袋から取り出されたパッケージには、「今宵もダンディな貴方をサポートする極太ピンチ君」と記されていた。
「このキャッチフレーズ、誰が考えたんだろうね?」
 彼の腕を抱きしめている奈々は、黒い極太バイブを見てどきどきした。言葉も返せなかった。
 野上は付属の電池を組み込んでいる。
「これって、俺と同じサイズだな。くねる機能だけの一本物だね」
 と、スイッチを入れた野上は彼女の太ももの上に、すっとそれを置いた。
 バイブはくねり、ひとりでに奈々の股間へと近づいていく。
「ああっ」と奈々は言った。
 刺激が強すぎるかな、と野上は思った。直ぐにスイッチを切り、テーブルに置くのだった。
 説明を読み始めた野上である。
「ふーん、使用後、水洗いオッケーなんだ。あのね、バイブ専用にコンドームも買ってきてる。ほら、これ」
 野上は紙袋からそれを取り出した。奈々は彼に頭を寄せて無口だ。ベッドでの行為を想像しているのかもしれない。

 灯りを点けていない寝室は、薄暗くなっていた。
「奈々ちゃん、晩ごはんは花火大会が終わってからでどう? メールで知らせた通り、俺は飲み会で友人宅で泊まることになってる。だけど、娘たちは感づいているんだろうね」
 奈々は頭をすっと上げて野上を見た。
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