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湯上がり慕情 浴衣娘と中年ピンチ君
第1章 それぞれの思惑
「あれってよく見えないんだけど、何をしていると思う?」
 離れていてよくは分からないのだが、運転席の男が見えないことから、シートを倒して横になっているらしい。女の子の頭が影のように車窓に見え隠れしていることから、いやらしく口を動かしているように思える。
(あれは吸いつくように、リリー嬢にしてもらった事だよな)
「あ、あれはたぶん、いやらしい事だよ」
「ふーん」
 と由香は再び向こうを覗き、尻を斜めにして、健太に見せつけるように太ももを擦り合わせた。

 大学の女友達から、由香はそれくらいの事は教えられて知っている。
「由香って、まだバージン? あのね、男ってフェラが大好きなのよ。私、彼氏にドライブに誘われたとき、バージンを奪われてもいないのに、いきなり車の中でご奉仕させられて……」
 間近に見る光景から、頭を動かしている女の子が何をしているのかは、簡単に想像できる。
 由香は向こうに停めたカップルを覗き続けた。そのとき、女の子の頭が動かなくなった。
(あの女の子、彼氏がいったあと…肉棒をくわえ込んで、バキュームフェラを続けているんだ)
 女友達からは、男が喜んでくれる必殺テクニック、そんなことまでレクチャーされていた。由香は内気な健太をその気にさせて、たっぷりとご奉仕をしてあげたかった。
「あっ健太、見て? 女の子の頭はちょっとだけ見えているんだけれど、動かないよ?」
「…………」
(あの女は男の物を直立させて、チロチロ舐めているに違いない)
 と健太は思った。
 それにしても、由香に追い被さるようにして、身を乗り出して覗いている健太は苦しい姿勢だった。
 背伸びをするように、健太はシートに仰向けになった。そのとき由香から追いかけられるように胸を押し当てられ、唇を重ねられた。
(舌を強引に入れてくるって、由香はいやらしい)
 健太はそのとき、一か八かの賭けにでた。嫌われる覚悟で、由香の手を取ってジーンズの上から触らせたのだ。
 彼女は嫌がる素振りさえ見せなかった。
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