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湯上がり慕情 浴衣娘と中年ピンチ君
第1章 それぞれの思惑
由香はスマホを手にしたまま、父の口調は怪しく思えた。ついさっきの北村さんに関心の無い口ぶりは、奈々さんの存在が、あんな事を言わせたような気がした。
(と言うことは、お父さんは奈々さんに気がある?)
「あのさあ、普通じゃ分かんないんだけど。そうだ、お父さんの代わりに私が返信してあげようか?」
「ん? だめだ。ほら、それはお父さんの携帯だから、早く返しなさい。それに、何て書いてあるのか分からないんだから」
父がスマホを取り上げない態度から、由香は勝手に返信してもいいかな、と思った。
「じゃあさ、その前に教えてくれたら返してあげる。奈々さんって、いい人? それとも悪い人?」
「まあ、いい人だろうな。ほら、早く返して」
由香がメールを打つスピードは素早い。このとき既に、返事を打ち込んでいる。いい人と聞いて、由香は送信をクリックしてから父にスマホを返した。
由香はニヤリとしている。
「あのね、お父さんの代わりに、私がメールしてあげた。じゃないと、お父さんは絶対に断るのは分かるから。まだまだ若いんだから、彼女がいてもいいんじゃない? でね、メールが届いたら、私に見せて?」
野上は由香の話しを聞きながら、奈々の体が思い浮かんだ。まんざら悪い気はしなくはなかった。
直ぐに奈々からメールが届いた。しかし由香が近くにいると、野上は照れくさそうである。
「あっ、奈々さんからメールだ。ねえ見せて?」
「だめだよ、彼女のプライバシーだからな。それはだめだ。ところで由香、このことは誰にも言うんじゃない」
父が直ぐにメールを見ないことから、奈々さんに気があることは、それなりに分かった。後で一人で読むに違いないよね、と由香は思った。
「あのね、お爺ちゃんにも言っちゃだめ?」
「当たり前じゃないか。誰にも言うんじゃない」
「じゃあさ、秘密にしてあげるから、奈々さんのことを私だけに教えて? 奈々さんの勤め先は?」
野上は言いたくなかったのだが、
「由香、絶対に誰にも秘密だからな。彼女は携帯ショップに勤めている。本当に彼女のプライバシーだからな」
ソファに尻をおろしたまま、由香は姿勢をただした。目を丸くして、真面目そのものだった。
「うん、誰にも言わない。じゃあ、私はもう寝る。おやすみ」
(と言うことは、お父さんは奈々さんに気がある?)
「あのさあ、普通じゃ分かんないんだけど。そうだ、お父さんの代わりに私が返信してあげようか?」
「ん? だめだ。ほら、それはお父さんの携帯だから、早く返しなさい。それに、何て書いてあるのか分からないんだから」
父がスマホを取り上げない態度から、由香は勝手に返信してもいいかな、と思った。
「じゃあさ、その前に教えてくれたら返してあげる。奈々さんって、いい人? それとも悪い人?」
「まあ、いい人だろうな。ほら、早く返して」
由香がメールを打つスピードは素早い。このとき既に、返事を打ち込んでいる。いい人と聞いて、由香は送信をクリックしてから父にスマホを返した。
由香はニヤリとしている。
「あのね、お父さんの代わりに、私がメールしてあげた。じゃないと、お父さんは絶対に断るのは分かるから。まだまだ若いんだから、彼女がいてもいいんじゃない? でね、メールが届いたら、私に見せて?」
野上は由香の話しを聞きながら、奈々の体が思い浮かんだ。まんざら悪い気はしなくはなかった。
直ぐに奈々からメールが届いた。しかし由香が近くにいると、野上は照れくさそうである。
「あっ、奈々さんからメールだ。ねえ見せて?」
「だめだよ、彼女のプライバシーだからな。それはだめだ。ところで由香、このことは誰にも言うんじゃない」
父が直ぐにメールを見ないことから、奈々さんに気があることは、それなりに分かった。後で一人で読むに違いないよね、と由香は思った。
「あのね、お爺ちゃんにも言っちゃだめ?」
「当たり前じゃないか。誰にも言うんじゃない」
「じゃあさ、秘密にしてあげるから、奈々さんのことを私だけに教えて? 奈々さんの勤め先は?」
野上は言いたくなかったのだが、
「由香、絶対に誰にも秘密だからな。彼女は携帯ショップに勤めている。本当に彼女のプライバシーだからな」
ソファに尻をおろしたまま、由香は姿勢をただした。目を丸くして、真面目そのものだった。
「うん、誰にも言わない。じゃあ、私はもう寝る。おやすみ」