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湯上がり慕情 浴衣娘と中年ピンチ君
第2章 初体験
   第二章 初体験

     (一)
 朝から暑い日が続いていた。
 野上が暮らす町から経由して、岬から西へ車で五分ほど行くと、河口に出て周辺は小さな町のようになっている。
 野上が勤める楓生コンは、そこから少し上流の堤防沿いにあった。従業員は総勢四十名ほどだ。
 この仕事をしていて、野上は前々からあることに気づいていた。
 現場監督は前日に計算をして、当日に打つ生コンのリューベ数は確認しているはずだ。しかし監督によっては生コンを大量に余らす者、逆に足りなくて間際に追加をしてくる監督もいた。どちらにしても予定数量が近づき、向こうから連絡がない場合、野上は監督に連絡を入れることにしていた。
 そしてこのことは野上は他人には言わないのだが、余らす監督は人間的に豪快に思え、野上の好みのようでもあった。

 前日から、引き続き行っている工事は順調に進んでいた。
 それらとは違い、本日からの新たな工事は、コンクリート打設車に大型ミキサー車を二台つけて行う、四日間の予定で始まっていた。
 打設車を使う現場では、生コンの納品書はその車の後部辺りに、ドライバー各自が挟む。現場監督がそれを見れば、到着台数と数量は一目瞭然のはずである。
 だがその現場からは、予定数量が近づいても監督からの連絡が未だなかった。野上はそれを確認するため、携帯を手にした。
「監督、あと三十で予定のリューベ数です。状況はどうですか」
「今日は忙しいのかい? チャーターも来ているんだね。野上さん、折り返し電話を入れるから」
 野上には、スケールを手にして計算しているヘルメット姿の監督が浮かんでいた。
 少し過ぎて、監督から連絡が届いた。
「野上さん、それだと余ってしまうから、二十七でいい。まああれだ、足らないよりは──、そうだな、あと二十八でいい」
「了解です。じゃあ監督、時間通りに出します」
 その間にも、違う現場で生コンを降ろし終えたドライバーから、
「荒崎の現場、10号車完了」と無線が飛んでくる。
 野上は無線で、10号車、了解。と伝えた。
 それらの営業無線は、現場で待機している者から走行中のドライバーを含め、この会社のほとんどが耳にしている、と野上は思っている。かりにミキサー車から降りていて、営業無線を途中から耳にするドライバーがいたとしても、おおよその事は掌握できているようだった。
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