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湯上がり慕情 浴衣娘と中年ピンチ君
第2章 初体験
由香と亜紀はタブレットに触りながら、店長らしき彼女を見て静かに話した。
「由香ちゃん、奈々さんは指輪もしてないね。あの人ならおじさんとお似合いだよ」
「うん、私もそう思う。年は三十代半ばだと思わない?」
亜紀は言った。「思う。おじさんとぴったりだね」
「うん」
話しを聞いている健太は、静かに由香に話しかけた。
「あそこに座って話しているあの人も、坂井って名札に書いてあったんだよな。まだ研修生だけどね」
「あの人? だめだめ、あの人は若すぎだよ。年は私たちと、ちょっとしか違わないよ?」
「そうだよお兄ちゃん、研修生は違うから」
二人から言われてみれば、それだけは健太にも納得できた。
「そうだよな」
「じゃあ出よう? 私、お爺ちゃんにメールしてあげなきゃ」と、由香は言った。
ショップから出た由香は素早い。直ぐにメールを送り終えた。
亜紀は由香を見て、ニヤリとしている。
「由香ちゃん、今からお兄ちゃんとデート?」
「…………」
由香は照れくさかった。黙ってうなずいて、
「亜紀ちゃん、安全運転でねっ。次は私が泊まりがけで遊びに行くから」
「はいオッケーだよ。私はさっさと帰ります。またね、おやすみ」
「またね」
亜紀を見送ったあと、由香は話しかけた。
「健太、駐車場の隅に停めて? 私、ちょっと着替えるから」
「え、着替える?」
「ミニスカートはだめ?」
由香に手を握られて、ニンマリとしている健太であった。
(三)
野上は、テーブルの上を片付け終えていた。彼は深々とソファに腰を下ろし、娘を考えている。しかし、次第に奈々が浮かんでくるのだった。
これまでの野上は、若い女に興味を覚えることはなかった。相手をその気にさせてしまえば面倒なことになる。話しは合わないだろうと、そんな観念もある。
しかし奈々の写メを見ていると、何に対して話しが合わないのだろうか、と思えた。なれなれしい奈々だけには、自分でも不思議だった。
野上は壁にかかる時計を見て、奈々にメールを打ち始めた。
《こんばんは。十一時頃から……》
一方、健太と由香は町を抜け、高台へと向かっていた。
助手席に座る由香は、健太に寄りそっている。バイパスを照らすオレンジ色の明かりが車内に差し込み、露わな彼女の太ももが、何度も浮かび上がった。
「由香ちゃん、奈々さんは指輪もしてないね。あの人ならおじさんとお似合いだよ」
「うん、私もそう思う。年は三十代半ばだと思わない?」
亜紀は言った。「思う。おじさんとぴったりだね」
「うん」
話しを聞いている健太は、静かに由香に話しかけた。
「あそこに座って話しているあの人も、坂井って名札に書いてあったんだよな。まだ研修生だけどね」
「あの人? だめだめ、あの人は若すぎだよ。年は私たちと、ちょっとしか違わないよ?」
「そうだよお兄ちゃん、研修生は違うから」
二人から言われてみれば、それだけは健太にも納得できた。
「そうだよな」
「じゃあ出よう? 私、お爺ちゃんにメールしてあげなきゃ」と、由香は言った。
ショップから出た由香は素早い。直ぐにメールを送り終えた。
亜紀は由香を見て、ニヤリとしている。
「由香ちゃん、今からお兄ちゃんとデート?」
「…………」
由香は照れくさかった。黙ってうなずいて、
「亜紀ちゃん、安全運転でねっ。次は私が泊まりがけで遊びに行くから」
「はいオッケーだよ。私はさっさと帰ります。またね、おやすみ」
「またね」
亜紀を見送ったあと、由香は話しかけた。
「健太、駐車場の隅に停めて? 私、ちょっと着替えるから」
「え、着替える?」
「ミニスカートはだめ?」
由香に手を握られて、ニンマリとしている健太であった。
(三)
野上は、テーブルの上を片付け終えていた。彼は深々とソファに腰を下ろし、娘を考えている。しかし、次第に奈々が浮かんでくるのだった。
これまでの野上は、若い女に興味を覚えることはなかった。相手をその気にさせてしまえば面倒なことになる。話しは合わないだろうと、そんな観念もある。
しかし奈々の写メを見ていると、何に対して話しが合わないのだろうか、と思えた。なれなれしい奈々だけには、自分でも不思議だった。
野上は壁にかかる時計を見て、奈々にメールを打ち始めた。
《こんばんは。十一時頃から……》
一方、健太と由香は町を抜け、高台へと向かっていた。
助手席に座る由香は、健太に寄りそっている。バイパスを照らすオレンジ色の明かりが車内に差し込み、露わな彼女の太ももが、何度も浮かび上がった。